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札幌のソウルフード、スープカレーとは?

北海道・札幌を代表する食の名物と聞くと、ラーメンやジンギスカンを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし今、全国的に人気を高めているのが「スープカレー」です。さらりとしたスパイススープに、ごろりと大きな具材を合わせた一品は、札幌市民にとって“日常食”に近い存在でありながら、観光客からは「一度は食べてみたい本場グルメ」として高い注目を集めています。
本記事では、札幌で誕生したスープカレーの歴史や魅力、他のカレーとの違い、そして有名になった理由やおすすめ店まで、じっくりとご紹介します。

札幌のスープカレーの歴史

スープカレーの起源は1970年代の札幌にあります。もっとも有力な発祥店として知られるのが、中央区に店を構える老舗「アジャンタ総本家」。当時、薬膳を取り入れた体に優しいスパイススープを提供しており、これが後に“スープカレー”へと発展していったといわれています。
その後、1990年代になると、スパイスを大胆に効かせたスタイルを生み出した店として「マジックスパイス」が登場します。マジックスパイスは「スープカレー」という名称を広く浸透させた存在として知られ、メニュー名もユニークで、当時の若者文化にもフィット。特に“アッサリなのに刺激的”という味のギャップと、独創的な世界観が支持され、スープカレー人気に大きな弾みをつけました。
2000年代に入るとスープカレー専門店が急増し、市内に数百店が立ち並ぶほどに成長。“札幌名物”として観光客に認知され、全国へと広がっていきました。

なぜ札幌のスープカレーが有名になったのか?

札幌のスープカレーが全国的に知名度を得た背景には、いくつかの理由があります。

①「マジックスパイス」の存在

「スープカレー」という名前を一気に広めた最大のキーマンが、このマジックスパイスです。スパイスの効いたスープと独特の世界観、辛さの段階を“虚空”“涅槃”などユーモアあるネーミングで表現したメニューは話題性抜群。雑誌やTVでも取り上げられ、若者文化と相まって中毒的なファンを獲得しました。
この店のインパクトが「札幌=スープカレーの聖地」というイメージを形成し、他店の成長とともにブームへと発展していったのです。

② 2000年代の“グルメブーム”と札幌観光の拡大

観光都市としての札幌が注目されると、旅の目的として「本場の料理を食べる文化」が定着。グルメサイトや旅行雑誌で“札幌特集”が組まれると必ずスープカレーが取り上げられ、全国の観光客がこぞって食べるようになりました。

③ 店ごとの個性が強く、食べ歩き文化が成立

クリーミー系、和だし系、海老系、トマト系など、同じ「スープカレー」とは思えないほどバリエーションが多いのも強み。食べ比べの楽しさから口コミが広まり、SNS時代にはインスタ映えするビジュアルも追い風となりました。

他のカレーとの違いとは?

スープカレーは、一般的なカレーライスとはまったく異なる料理です。
まず大きな違いは“とろみがない”点。小麦粉などでルーに粘度を持たせる通常のカレーに対し、スープカレーはさらさらのスパイススープです。具材はチキンレッグや素揚げ野菜など大きめサイズで、ゴロゴロとした見た目が特徴。
食べ方も独特で、スプーンでご飯をすくい、スープに浸しながら味わうスタイルが基本。スパイススープを“飲む”ような感覚は、カレーとラーメンの中間のような新しい体験です。
さらに、辛さやスープの種類、トッピングのカスタマイズ性が高く、自分だけの一杯を作れる楽しさも人気の理由です。

スープカレーの魅力

① スパイスの香りと旨みの奥深さ

カルダモン、クミン、クローブなど複雑に組み合わさったスパイスの香りが食欲を刺激します。辛さだけではなく、甘みや酸味、出汁の旨みなど、店ごとに個性が際立つ点が魅力です。

② 大きな具材で満足感たっぷり

丸ごと入ったチキンレッグ、素揚げした色鮮やかな野菜など、食べごたえがありながらも重くないのが特徴。最後の一口まで飽きずに食べられます。

③ カスタマイズの自由度

辛さ10段階以上やスープの種類、トッピングの豊富さなど、選ぶ楽しさが多く、何度訪れても新しい味に出会えます。

札幌で訪れたいスープカレーの名店

Garaku(ガラク)

鶏ガラ・豚骨・野菜を煮込んだ和風だし系スープが絶品。濃厚ながらもすっきりとした後味で、行列ができる人気店です。

soup curry Suage(スアゲ)

素揚げ野菜がたっぷり入ったバランスの良い味わいで、札幌初心者にもおすすめ。札幌駅近くの店舗も利便性◎。

奥芝商店

海老の旨みを凝縮した濃厚スープが特徴。他店とは一線を画す味わいで、海老好きなら必食です。

マジックスパイス

札幌スープカレーの人気を全国に広めたレジェンド店。辛さのネーミングや独特の世界観は唯一無二。元祖スープカレー文化を体験したい人には欠かせません。

まとめ

札幌のスープカレーは、50年以上の歴史の中で独自の進化を遂げた、“札幌ならではの食文化”です。そして、この食文化が全国に広まった大きな要因として「マジックスパイス」の存在が欠かせません。
多彩なスープの種類、豪快な具材、スパイスの奥深い香り——食べる人を虜にする要素が詰まっているからこそ、今もなお多くのファンを生み続けています。札幌を訪れる際には、ぜひ数店を食べ比べて、自分だけの“究極の一杯”を見つけてみてはいかがでしょうか。

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